春が近づくと、空気はやわらかくなり、光も明るくなります。
それなのに、なぜか身体はついていかない。
目はかゆいし、鼻は詰まるし、頭はぼんやり。
朝起きてもすっきりしない。
外はあたたかいのに、自分の中だけ重たい。
私自身も花粉の季節は、目をこすりすぎて赤くなったり、
鼻が詰まって眠りが浅くなったりします。
「春ってこんなにしんどかったっけ?」と毎年思う。
でも、アーユルヴェーダの視点に立つと、
このゆらぎは“異常”ではなく、
季節が動き出しているサインとして捉えます。
冬に溜め込んだものが、
あたたかさによってゆっくり溶け出していく。
重たさも、鼻水も、だるさも、
身体が外へと押し出そうとしている動きかもしれない。
花粉症を「敵」として戦うのではなく、
まずは「いま身体は何をしようとしているのか?」と
少し立ち止まってみる。
春は、がんばる季節ではなく、
少しずつ軽くしていく季節。
アーユルヴェーダ的に見ると、
花粉の時期のゆらぎには、ちゃんと理由があります。
🌬 アーユルヴェーダ的に見る春
アーユルヴェーダでは、季節ごとに優位になりやすいドーシャ(体質エネルギー)があると考えます。
春は、その中でもカパが高まりやすい季節です。
カパの性質は、「重い」「ゆっくり」「冷たい」「粘性がある」「安定している」。
冬のあいだに溜め込まれた水分や栄養、静けさが、
春のあたたかさによって少しずつゆるみ、溶け出していきます。
ちょうど、雪解けのように。
固まっていたものが動き始める。
この時期に感じやすい、
頭の重さ、だるさ、眠気、鼻の違和感。
それらは、身体が冬から春へ切り替わろうとしているサインともいえます。
本来なら、ゆっくり溶けて、ゆっくり流れていくもの。
でもそこに、スギやヒノキの花粉という外からの刺激が重なると、
身体の反応はより強く現れます。
もともとカパが増えやすい季節に、
花粉という刺激が加わる。
だから、花粉症を持っている人にとっては、
春は「ゆらぎ」が二重に重なる季節でもあります。
鼻水や鼻づまりは、
溜め込んだものを外へ出そうとする動きかもしれない。
だるさは、急に動き出さず、ゆっくり切り替えようとする身体の調整かもしれない。
もちろん、つらいものはつらい。
けれど、それは身体が季節にちゃんと反応している証でもあります。
🌿 症状を止めることと、身体を無視することは違う
花粉の季節がつらいとき、
薬に頼るのは悪いことではありません。
目はかゆいし、鼻は詰まるし、頭もぼんやりする。
何もしないで耐えるのは、正直しんどいですよね。
私自身も花粉症なので、この季節はなかなか大変です。
仕事もあるし、日常もある。
だから私は、つらくなる前に早めに薬を飲んで対処してしまっています。
「アーユルヴェーダをやっているなら、薬は飲まないんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、
生活が回らなくなるほど我慢する必要はないと思っています。
症状を抑えることは、身体を裏切ることではありません。
まずは日常を守ることも大切。
でも、症状が止まったからといって、
身体の中で何も起きていないわけではない。
春は、冬に溜め込んだものがゆるみ、動き出す季節。
花粉という刺激をきっかけに、身体はちゃんと季節に反応しています。
だからこそ、
「抑える」ことと同時に、
やさしく労わることも忘れない。
少し軽めに食べる。
温かいものを選ぶ。
少しだけ身体を動かす。
それだけで、春との付き合い方はぐっと楽になります。
🪷 春をやさしく整える、具体的な労わり方
花粉の症状を抑えたとしても、
春のカパはゆっくりと動いています。
だからこそ、この季節は「戦う」よりも、
軽くする・温める・動かすを意識してみます。
☀️ 朝を少しだけ早くする
カパが強まる時間帯は、朝6時〜10時。
この時間に長く眠っていると、重さが増しやすいとされます。
ほんの15分でも早く起きて、
窓を開けて空気を入れ替える。
それだけでも春の停滞感は少し軽くなります。
🔥 温かいものを選ぶ
冷たい飲み物や甘いものは、カパをさらに重くします。
白湯や温かいハーブティー、
ショウガやスパイスを少し加えるだけでも違います。
🚶 少しだけ動く
激しい運動でなくて大丈夫。
10分の散歩や軽いストレッチでも、
停滞したカパは動き始めます。
🪥 口内と鼻まわりをさっぱり保つ
春は粘性が高まりやすい季節。
ミントやクローブ、ショウガなど、
すっきりする植物の力を借りるのもひとつの方法です。
洗いすぎる必要はありませんが、
「さっぱりした」という感覚は、
停滞した重さを軽くしてくれます。
がんばりすぎなくていい。
全部やらなくていい。
ひとつでも取り入れられたら、それで十分。
春は、削ぎ落とす季節。
やさしく軽くしていきましょう。
🕊 無理に戦わないという選択
花粉の季節になると、
「どうにかして止めたい」「完全に抑えたい」と思ってしまう。
それは、とても自然な感情です。
でも、アーユルヴェーダの視点では、
春のゆらぎは“間違い”ではなく、季節の移ろいの一部として捉えます。
鼻水も、だるさも、眠気も、
身体が冬から春へと切り替わろうとしているサインかもしれない。
薬を飲んで症状を抑えてもいい。
日常を守ることは大切です。
けれど、「完全になかったこと」にしなくてもいい。
身体はちゃんと、春に反応している。
だから、敵として戦い続けるよりも、
少しやさしく寄り添ってみる。
今日は少し早く眠る。
今日は少し軽く食べる。
今日は少しだけ動いてみる。
それだけで、春との距離は変わります。
無理に強くならなくていい。
春は、やわらかく整える季節です。
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