朝が苦手で、夜になると頭が冴える。
昼間はぼんやりしているのに、なぜか夕方から元気になる。
それを「生活リズムが乱れている」「自己管理ができていない」と言われることは多いけれど、
アーユルヴェーダでは、もう少し違う見方をします。
アーユルヴェーダでは、人は常に自分の意志だけで動いている存在ではないと考えられています。
一日の中を流れる時間そのものが性質を持ち、
私たちはその影響を受けながら暮らしている、という捉え方です。
つまり、
朝がつらい日があるのも、
夜に考えすぎて眠れない日があるのも、
性格や根性の問題ではないかもしれない、ということ。
この章では、アーユルヴェーダ独特の「時間の捉え方」について、
実践や生活改善を目的にせず、
まずは「そういう考え方がある」というところから紹介していきます。
できなくても大丈夫。
守らなくても問題ありません。
ただ、知っているだけで、
自分を少しだけ責めなくて済むようになる。
そんな位置づけの話です。
⏳ アーユルヴェーダにおける「時間」の考え方
アーユルヴェーダでは、時間はただ均一に流れているものではないと考えます。
一日の中には、それぞれ性質の違う時間帯があり、
私たちの体や心、消化や思考の働きは、
その時間帯の影響を静かに受け続けている、という捉え方です。
ここで大事なのは、
「人が時間を支配する」のではなく、「時間に人が影響される」という前提。
朝にやる気が出ない日、
夕方になると急に焦り出す日、
夜に思考が止まらなくなる日。
それらはすべて、
その時間帯に流れている性質と、自分の状態が噛み合っていないだけ、
という見方もできるのです。
アーユルヴェーダでは、一日24時間を
ヴァータ・ピッタ・カパという3つの性質が、
それぞれ交代しながら支配していると考えます。
つまり、
「今の自分がどうか」だけでなく、
「今、どんな時間の中にいるか」も、
同時に見ていく必要がある、ということ。
このあとでは、
朝・昼・夜に分けて、
それぞれの時間帯にどんな性質が流れていると考えられているのかを紹介していきます。
実践できなくても大丈夫。
「そういう時間帯なんだな」と知るだけで、
一日の見え方が少し変わるはずです。
🌅 朝は「カパ」の時間
アーユルヴェーダでは、朝の時間帯は「カパ」が支配する時間とされています。
カパは、
重い・安定・湿り気・ゆっくりといった性質を持つドーシャ。
そのため朝は、
目が覚めにくい、体が重たい、
「まだ動きたくない」と感じやすい時間帯でもあります。
これは怠けているわけではなく、
時間そのものが“重さ”を帯びていると考えるのがアーユルヴェーダ的な見方です。
この時間帯に無理にスイッチを入れようとすると、
一日中だるさを引きずることもあります。
☀️ 昼は「ピッタ」の時間
昼から夕方にかけては、「ピッタ」が強くなる時間帯。
ピッタは、
熱・鋭さ・集中・消化を司る性質を持っています。
この時間帯は、
頭が冴えやすく、判断力が高まり、
物事を処理する力が最も発揮されやすいとされています。
アーユルヴェーダで「昼にしっかり食べるべき」と言われるのも、
消化の火(アグニ)が最も強くなる時間だから。
逆にこの時間帯に無理を重ねすぎると、
イライラや焦り、過剰な緊張として現れることもあります。
🌙 夜は「ヴァータ」の時間
夕方以降から夜にかけては、「ヴァータ」が支配する時間。
ヴァータは、
軽い・動く・変化・不安定といった性質を持ちます。
そのため夜は、
思考が広がりやすく、
一日の出来事を反芻したり、不安が浮かびやすい時間帯。
「夜になると急に考え事が止まらない」
「眠る直前にいろいろ思いつく」
それもまた、
ヴァータの時間帯に自然な反応とされています。
アーユルヴェーダでは、
この時間帯をどう過ごすかが、
翌日のコンディションに大きく影響すると考えられています。
🌊 時間に逆らうと、疲れやすくなる
ここまでの話を読んで、
「朝が苦手なのって、私の怠け癖じゃなかったのかも」
そんなふうに少し肩の力が抜けたなら、それだけでも十分です。
アーユルヴェーダの時間の考え方は、
“正しい生活をしよう”というルールではなく、疲れ方の理由を理解するための地図みたいなもの。
たとえば、夜のヴァータの時間帯。
軽くて、動きやすくて、思考が広がりやすい。
この時間にスマホを眺め続けたり、刺激の強い情報を浴びたり、
「もう少しだけ」と無理に頑張り続けると、
ヴァータの性質がどんどん強まり、眠りが浅くなったり、心が落ち着かなくなったりします。
逆に朝のカパの時間帯。
重くて、安定していて、ゆっくり。
この時間に、いきなり全力で走り出そうとすると、
体も気分もついてこなくて、一日がずっと“重いまま”になってしまうことがあります。
昼のピッタの時間帯も同じです。
この時間は集中しやすい反面、無理が効きやすいぶん、
限界を超えると焦りやイライラとして出やすい。
もちろん、現代の暮らしは予定で埋まっていて、
“時間帯に合わせて生きる”なんて簡単にはできません。
でも、ここで伝えたいのは、
「合わせなきゃいけない」という話ではなく、
時間の性質を無視すると、疲れが溜まりやすくなるということ。
だからこそ、完璧じゃなくていいから、
「今はこういう時間なんだな」と気づけるだけで、
自分の扱い方が少しだけ変わっていきます。
🌿 偏りを感じたら、ほんの少し自分を助けてあげる
ここまで読んでいて、
「もしかして、ちょっと偏ってるかも?」
そんな感覚がよぎったなら、それはもう十分なサインです。
アーユルヴェーダ的に見ても、
偏りに気づいた瞬間が、いちばん整えやすいタイミング。
とはいえ、
毎日の暮らしの中で本格的なケアを続けるのは、正直むずかしい。
だから、かいらりでは
「ほんの少し、自分を助けてあげる」くらいの距離感で取り入れられるケアを紹介しています。
たとえば、
朝や夜のリズムを切り替えるための石鹸や歯磨き粉。
気分や体調に合わせて選べるハーブティー。
今日はどんな自分でいたいかを静かに確認するための天然石。
どれも「治す」ためのものではなく、
今の状態に気づいて、そっと寄り添うための選択肢です。
今日はお茶だけ。
別の日は香りだけ。
そんなふうに、できるところから少しずつでいいと思っています🌿




🕰️ まとめ|時間を味方につけて、無理なく整える
アーユルヴェーダが大切にしているのは、
「何をするか」よりも、「いつ・どんな流れで過ごしているか」という視点。
時間のリズムに逆らっていると、
理由のわからない疲れや、整わなさを感じやすくなります。
でもそれは、
頑張りが足りないからでも、意志が弱いからでもありません。
ただ、今の自分と時間の流れが、少しズレているだけ。
完璧に整えようとしなくていい。
全部をアーユルヴェーダ通りに生きなくてもいい。
「今は休む時間かも」
「今日は温めたほうがよさそう」
そんなふうに、気づけるだけで十分です。
時間の概念を知ることは、
自分を管理するためではなく、自分に優しくなるためのヒント。
この先もし、
「もう少し具体的に整えたいな」と思う日がきたら、
また、できそうなところから拾ってみてください。
今日のあなたに必要なのは、
新しい習慣よりも、ほんの少しの余白かもしれません🌿
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