1月になると、
「今年こそはちゃんとしよう」
そんな言葉が、あちこちから聞こえてきます。
新しい年の始まり。
気持ちを切り替えて、何かを始めるにはぴったりの時期。
……と言われることが多いですよね。
けれど実際の1月は、
一年の中でもいちばん寒く、
空気は乾き、日照時間も短い。
身体も心も、まだ冬の真ん中にあります。
アーユルヴェーダでは、
季節をカレンダーではなく、
今、身体がどんな影響を受けているかで捉えます。
その視点で見ると、
日本の1月は「始まりの月」というより、
まだ整いきらない、静かな冬の時間。
気持ちが落ち着かなかったり、
やる気があるのに身体がついてこなかったり。
そんな感覚は、意志が弱いからでも、
怠けているからでもありません。
今回は、
アーユルヴェーダの考え方を借りながら、
日本の1月を、どういう月として受け取るかを
ゆるく整理してみたいと思います。
何かを変えるための記事ではなく、
今の自分を少し理解するための記事として、
気楽に読んでもらえたら嬉しいです。
🌬️ アーユルヴェーダ的に見た「日本の1月」
アーユルヴェーダには、本来インドの気候を前提にした季節の考え方があります。
けれど、それをそのまま日本に当てはめる必要はありません。
アーユルヴェーダで大切にされているのは、
暦そのものよりも、今の環境が身体にどんな影響を与えているかという視点です。
日本の1月は、
寒さが強く、空気は乾燥し、日照時間も短い。
一年の中でも、外からの刺激が少なく、内側に意識が向きやすい時期です。
一方で、年始という区切りがあるため、
生活リズムが乱れたり、
気持ちだけが先に動こうとしたりしやすくもあります。
この寒さ・乾燥・変化が重なる状態は、
アーユルヴェーダ的に見ると、
風や動きを司る要素が前に出やすい環境だと捉えられます。
だから1月は、
落ち着かないのに動けない、
考えが散らかりやすい、
気持ちと身体のズレを感じやすい。
それは「調子が悪い」というより、
季節と環境の影響を、そのまま受け取っている状態。
アーユルヴェーダ的に見る日本の1月は、
何かを始めるために無理をする月ではなく、
まだ冬の流れの中に身を置いている時間として捉える方が、自然です。
❄️ 1月に起きやすい心と体の状態
1月は、寒さと乾燥がいちばん厳しい時期。
身体が縮こまりやすく、血の巡りも滞りがちになります。
冷えやすい、喉や肌が乾く、
なんとなく身体が落ち着かない。
そんな小さな違和感が出やすいのも、この時期です。
そこに重なるのが、年始の仕事始め。
寒い中で通勤が始まり、
生活リズムを一気に戻さなければいけない日々。
頭では「やらなきゃ」と分かっているのに、
集中できなかったり、
気持ちがそわそわして落ち着かなかったり。
年が変わったことで、
無意識のうちに「ちゃんとしなきゃ」というプレッシャーを
感じている人も多いかもしれません。
寒さの中で身体が守りに入っているのに、
気持ちだけが先に動こうとする。
そのズレが、疲れやすさや不安定さとして現れることもあります。
こうした状態は、
頑張りが足りないから起きているわけではありません。
寒い季節に、無理をして動いているだけ。
1月にしんどさを感じるのは、とても自然なこと。
まずは「そう感じていい時期なんだ」と知るだけでも、
少し気持ちが緩むかもしれません。
🌪️ なぜ1月はヴァータが前に出やすいのか
アーユルヴェーダでは、
風や動き、変化を司る性質を「ヴァータ」と呼びます。
日本の1月は、
寒さ・乾燥・環境の切り替えが重なる時期。
この条件は、ヴァータの性質ととても相性が強い環境です。
冷たい空気は身体を緊張させ、
乾燥は感覚を鋭くし、
年始という区切りは、生活や気持ちに変化を生みます。
その結果、
考えが散らかりやすくなったり、
落ち着かないのに動けなかったり、
気持ちと身体のリズムがずれやすくなります。
これはヴァータが「増えた」というより、
揺れやすく、前に出やすい状態になっていると考える方が近いかもしれません。
寒いのに無理に動く。
身体が縮こまっているのに、頭だけが忙しい。
そんな状態が続けば、誰でも疲れてしまいます。
1月に感じる落ち着かなさや不安定さは、
性格の問題でも、気合の不足でもありません。
季節と環境が、そういう状態をつくりやすい。
まずはそう捉えてみるだけで、
自分に向ける目線が少し優しくなると思います。
🫖 1月は「何かを始めなくていい」
1月というと、
「新しいことを始めなきゃ」
「今年の目標を立てなきゃ」
そんな空気に包まれがちです。
でも、アーユルヴェーダ的に見ると、
日本の1月はまだ身体を外に向けて動かす時期ではありません。
寒さの中で、身体は自然と守りの姿勢に入っています。
それは怠けているのではなく、
ちゃんと季節に反応している状態です。
この時期に無理にペースを上げようとすると、
気持ちばかりが先走って、
疲れや不安定さが強く出やすくなります。
1月は、何かを大きく変えなくてもいい。
新しい習慣を完璧に始めなくてもいい。
できることがあるとしたら、
年末年始で崩れた生活リズムを、少しずつ戻すこと。
それだけで十分です。
温かいものを食べて、
よく眠って、
一日の流れを整える。
派手なスタートを切らなくても、
静かに整えていく時間は、
ちゃんと次の季節につながっていきます。
1月は、始める月ではなく、
戻す月、温める月。
そう思って過ごしても、まったく問題ありません。
🤲 サートミヤ的・1月との付き合い方
アーユルヴェーダには、
「サートミヤ」という考え方があります。
それは、
一般的に良いとされていることよりも、
今の自分に合っているかどうかを大切にするという視点です。
1月は、「こう過ごすべき」という情報がとても多い時期。
早起き、運動、目標設定、リセット。
正しいことはたくさんあります。
でも、寒さや乾燥で身体がこわばっているときに、
それらがしっくりこないこともあります。
サートミヤ的に考えるなら、
「それは今の自分に合っているかな?」と
一度立ち止まってみることが大切です。
早起きがつらいなら、無理をしない。
やる気が出ないなら、休む。
動きたい日と、静かに過ごしたい日があっていい。
1月は、
誰かの理想の過ごし方に自分を合わせるより、
その日の体感に合わせて選び直す月。
今日は温かいものが欲しい。
今日は早く眠りたい。
今日は何も考えたくない。
そんな小さな選択を重ねることが、
結果的に、春に向かう準備になります。
サートミヤは、頑張るための考え方ではありません。
自分をすり減らさないための視点です。
🧺 ヴァータが強い1月に寄り添う、かいらりのアイテムたち
1月は、何かを足すよりも、今の自分に合うものをそばに置くことが大切な季節です。
アーユルヴェーダ的に見ると、冷えや乾燥、忙しさによってヴァータが前に出やすいこの時期は、刺激的なケアや「整えなきゃ」という意識が、かえって揺らぎを大きくしてしまうこともあります。
だから1月は、「効かせるもの」より「落ち着くもの」。
「変えるもの」より「戻してくれるもの」。
かいらりで扱っているアイテムの中にも、この季節のヴァータにそっと寄り添ってくれるものがあります。
飲むことで、身体を内側から温めてくれるもの。
香りで、呼吸をゆっくりにしてくれるもの。
身につけたり、触れたりすることで、冷えや不安定さから意識を引き戻してくれるもの。
どれも「1月だからこそ」おすすめしたい存在です。
ここから先では、1月のヴァータに合いやすいアイテムを、用途や感じ方ごとにいくつかピックアップして紹介していきます。
「全部そろえなきゃ」ではなく、今の自分に一番しっくりくるものを、ひとつ。
そんな選び方で、1月を少し過ごしやすくしてもらえたら嬉しいです。
🍵 温かさで落ち着かせる|ハーブティー
1月は、とにかく寒い。
正直に言えば、この時期は「何でもいいから温かいものを飲む」だけでも十分に意味があります。
アーユルヴェーダでも、冷えや乾燥でヴァータが前に出やすい季節は、身体の内側から温めることがとても大切だと考えられています。
その上で、「どんなハーブが合いやすいか」という視点で見ると、1月はこんな方向性のものがおすすめです。
・ほんのりスパイス感のあるもの
ジンジャー、シナモン、カルダモンなど、強すぎない温性のハーブやスパイスは、冷えた身体をじんわり目覚めさせてくれます。
・甘みや丸みを感じるブレンド
リコリスやフェンネルのような、角のない甘さを含むハーブは、揺らぎやすいヴァータを落ち着かせる方向に働きやすいとされています。
・カフェインを含まないもの
神経が過敏になりやすい1月は、刺激を足すよりも、一度ゆるめる選択のほうが合うことも多いです。
とはいえ、難しく考える必要はありません。
「飲んだあと、呼吸が少し深くなるか」「身体の力が抜ける感じがするか」。
そんな体感を基準に選ぶのが、いちばんアーユルヴェーダ的です。
寒い朝や、仕事終わりの冷えた夜に、
一杯の温かいハーブティーを挟むだけでも、1月の過ごしやすさは少し変わります。
🌿 揺らぎを落ち着かせる|香り
1月は、寒さや乾燥に加えて、年始の切り替えで気持ちがそわそわしやすい時期です。
考えごとが増えたり、理由もなく落ち着かなかったりするのも、実はよくある状態。
アーユルヴェーダでは、香りは思考よりも先に届く感覚だと考えられています。
だからこそ1月は、「気分を上げる香り」よりも、静かに落ち着かせてくれる香りが向いています。
ここでは、かいらりの姉妹ショップ
Mirʾāt al-Dukhān(ミルアート・ドゥカーン)で扱っている香りの中から、
1月におすすめのものを少しだけ紹介します。
この時期のメインにおすすめしたいのが、サンダルウッド。
やわらかく、丸みのある香りで、呼吸を自然に深くしてくれるのが特徴です。
刺激が少なく、広がり方も穏やかなので、朝でも夜でも使いやすく、
動きすぎているヴァータを、そっと地面に戻してくれるような感覚があります。
もし、冷えや疲れが強く出ているときは、
サンダルウッドより少し重さのあるブラウンウードを選ぶのもひとつ。
より内側に意識を戻したい夜や、気持ちを切り替えたいタイミングに向いています。
香りは「整えなきゃ」と頑張るためのものではなく、
今の状態に寄り添って、静かに鎮めるための道具。
1月は、そんな使い方がいちばんしっくりきます。
🧼 一日の終わりをほどく|石鹸
1月は、寒さや乾燥だけでなく、
仕事始めや生活リズムの切り替えで、知らないうちに力が入りやすい時期です。
アーユルヴェーダ的に見ると、
この時期に大切なのは「何かを足すこと」より、
一日の中で、きちんと緩む時間をつくること。
石鹸は、とても静かなケアの道具です。
意識して整えようとしなくても、
お風呂に入って、泡立てて、流す。
その一連の動きだけで、身体は少しずつ力を抜いていきます。
特にヴァータが揺れやすい1月は、
サンダルウッドなど、温かさと落ち着きを感じる成分が入った石鹸が向いています。
香りが強すぎず、肌を乾かしすぎないものを選ぶことで、
洗う行為そのものが、ヴァータを鎮める時間になります。
ミルクや植物オイルなど、
洗い上がりに潤いを残してくれる素材も、
乾燥しやすいこの季節には相性がいい要素です。
「汚れを落とすため」ではなく、
一日の緊張をほどくために使う石鹸。
1月のおうち時間には、
そんな視点で選んでみてもいいかもしれません。
🌙 おわりに|1月は、静かに戻る月
1月は、何かを始める月であると同時に、
知らないうちに力が入りやすい月でもあります。
寒さ、乾燥、仕事始め。
「ちゃんとしなきゃ」「切り替えなきゃ」という空気の中で、
心も身体も、思っている以上に揺れやすくなっています。
アーユルヴェーダの視点で見ると、
この時期に必要なのは、前に進むための工夫よりも、
いったん立ち止まって、元の位置に戻ること。
温かい飲みものを選ぶこと。
香りで呼吸を深くすること。
お風呂で、静かに一日を終わらせること。
どれも特別なことではないけれど、
1月のヴァータには、こうした小さな選択がよく効きます。
完璧に整えなくていい。
気分が上向かなくてもいい。
まずは「揺れているな」と気づけるだけで十分です。
1月は、動き出す準備の月。
静かに、自分の中心に戻りながら、
次の季節を迎えるための時間として過ごしてみてください。
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