🥜1. ケララに着いてすぐの“ナッツの洗礼”
ケララに到着したその夜。深夜便で空港に着いた私を、相方のシャンさんが迎えてくれました。
車に乗るなり、彼が手渡してくれたのは、まさかのカシューナッツ2種。塩味とブラックペッパー味です。
正直、空港に着いて最初に食べたのがナッツというのはちょっと予想外でしたが、口に入れた瞬間、その理由がわかりました。
「え、なにこれ、うまっ……」
塩味の方は、香ばしさと旨みが絶妙で、しっかり味がついているのにどこまでもクリア。ブラックペッパー味は、ピリッと刺激的だけど全体が軽やかで、重さが残りません。
疲れた体に沁みわたるナッツのうまみ。気づいたら、袋を離せなくなっていました。
🥜2. 旅の記憶に残る、あの味の“クリアさ”
あのときのカシューナッツ、ただの“美味しいナッツ”じゃありませんでした。
とにかく、味が澄んでいたんです。塩もスパイスもちゃんと効いているのに、どこまでも軽くて雑味がない。
ナッツ自体がふっくらとしていて、噛んだ瞬間にカリッと割れたあと、口の中でしっとりと旨みが広がっていく感じ。
おそらくロースト加減や鮮度の違いなんだと思いますが、その味わいは日本で食べてきたどんなナッツとも違っていました。
空港の夜の空気の中で感じたこの“クリアさ”が、なんだかケララという土地の印象そのもののように思えたのです。
🥜3. ピスタチオの衝撃と、日本への“おすそ分け”
そのあと、ナッツの印象はどんどん強くなっていきました。
ケララ滞在中、旅の終盤にルルハイパーマーケットへ立ち寄り、お世話になった大家さんへのお礼にナッツの詰め合わせを選びました。
いろんな種類のナッツが、カラフルにパッケージされたセット。ケララの“美味しいもの”がぎゅっと詰まっている感じがして、迷わず手に取りました。
そして日本に戻ってからしばらく経ったある日、今度はシャンさんが日本に来てくれたとき、彼が持ってきてくれたのが、大袋のピスタチオでした。
これがまた、驚くほど美味しかったんです。
粒は大きく、サクッとした食感にふわっと広がる香ばしさ。こちらもやはり、塩気が効いているのにどこか上品で、どんどん手が伸びてしまう味でした。
ケララのナッツは、味が強すぎず、素材の力で勝負しているような印象です。シンプルだけど、しみじみと心に残る。そんな味わいでした。
🥜4. ナッツはケララ旅の“体調管理食”だったかもしれません
ケララに滞在しているあいだ、ふと気づいたことがありました。
「ナッツとバナナだけ食べてる日は、お腹を壊さないな」って。
インド旅では、どうしても食事の油分やスパイスでお腹が不安定になりがちです。そんなときに、ナッツの存在は本当にありがたかったです。
カリッとした食感に、しっかりと塩気が効いていて、甘すぎないから朝でも夜でもつまめる。おやつというより、軽食のような安心感がありました。
とくに外出中、移動が多い日などは、バッグにひとつナッツがあるだけで気持ちが落ち着くような、“旅のセーフティフード”としての役割を果たしてくれた気がします。
バナナとナッツ。シンプルだけど、「これさえあればどうにかなる」って思えるラインナップでした。
🥜5. 旅と暮らしを支えてくれたナッツたちへ
ケララの旅を振り返ると、カラフルな景色やスパイスの香り、やさしい人たちの笑顔が思い出されます。
でもその中に、確かにあったのが“ナッツの記憶”。
空港で手渡されたカシューナッツの味。旅の疲れに沁みたあの塩気と香ばしさ。そして、ピスタチオのおすそ分けと、ナッツを贈る喜び。
それは、単なる「おやつ」や「土産」ではなく、暮らしの一部であり、旅をそっと支えてくれる存在でした。
次にケララに行くときも、きっとナッツは旅の始まりにある気がします。そしてその日もまた、「うまっ……」って思うんだろうなって。
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